フリーソフトの小技   OpenOffice.org の小技

 パソコンの世界ではボランティアによる無料ソフトが多く流通しています。 市販品よりも優れたソフトも多くあり、管理人(志)も昔から多くのフリーソフトを愛用してきました。 特に、OpenOffice.org は使いこなせばマイクロソフトオフィスも真っ青です。 完成度もフリーソフトとは思えないできばえで、筆者(志)はここ2年間ほど、全ての業務をOpenOffice.org でこなしてきました。 現在のノートパソコンにはマイクロソフト・オフィスはインストールせずに丸1年を経過しています。

 第6回  ワープロ 「Writer」 における小技 A  〜「文字列の任意角度の回転」 〜

2006/01/07

 OpenOffice.org のメインとなるものが文書作成ツールの 「Writer」 です。 MS-Office の Word と同等のことができます。

 今回の小技は、タイトルなどに利用できるものですが、文字列の任意回転(下を参照)ですが、いろいろな手法があります。 文字列を少し傾けるという技ですが、落語にも登場する 「貸間あります」 などの掲示は傾けて貼るのがよいとのこと。 チラシなどの文面では良く使われるものですが、ワープロではどのようにすれば出来るのでしょうか。

図形化してしまう方法では...

 図形化してしまえば、図形として回転という加工ができるので、文字列の任意回転は可能です。 文字列を図形化するには、図形描画ツールである 「Draw」 が使えます。 Draw を立ち上げてテキストオブジェクトアイコンをクリックして、目的の文字列を入力します。 フォント種類、サイズ、装飾などを施し、目的となる文字列を作ります。 これを標準メニューの 「変更」 → 「変換」 をクリックし、希望のモードに変換します。 「輪郭に変換」、「立体に変換」、「ビットマップに変換」、「メタファイルに変換」 などがあります。 立体ロゴを作りたいときは 「立体に変換」 になりますが、通常は 「ビットマップに変換」 が良いでしょう。 「輪郭に変換」 や 「メタファイルに変換」 などはその後の加工が必要な場合には有効です。

 図形オブジェクトになれば、ワープロに貼り付ければ、任意の角度に回転が可能となります。 この方法の欠点は、「文字列の修正」 と 「拡大した時の粗さ」 にあります。 また、ファイルサイズが大きくなることも問題です。

図形描画ツール 「Draw」 で文書作成する方法とは...。

 初めから全てを 図形描画ツール Draw で作成する方法です。 この方法は、ページ数の大きい一般文書の場合、行送りなどに難点が出てきます。 使ってみれば分かりますが、Draw の目的は1枚(1ページ)の画面に図形を描くことを前提としているツールですから、 文字列はテキストボックスの組み合わせとして表します。したがって、長い文章をページを超えて続けるような使い方は想定していません。 そのため、長い文章の編集においては難点があります。

文書作成ツール 「Writer」 だけで作成する方法とは...

 普通の文章の一部として、自由に事後に修正できること、回転の角度も任意に設定できることなどを実現するには 発想の転換が必要です。OpenOffice.org の 文書作成ツール 「Writer」には直線、長方形、円などのオブジェクトを文章に挿入することが出来ます。 また、その図形オブジェクトに文字列を添えることが可能です。 図形オブジェクトは回転が可能なのですから、図形と一体となっている文字列も同時に回転できることになるのです。 この機能を使うだけで、事後に変更可能な文字列であり、任意の角度に回転できるという両立が可能となるのです。 しかも、図形部分は、表示特性を 「透明化」 することで、文字列だけしか見えません。 よって、文字列が任意に回転できることになるのです。

出来上がったPDF文書を、拡大してご覧ください!

 詳細は、この方法を使って作成した 「文字列の任意回転」 の説明書( PDF文書 )をご覧いただければ分かります。 拡大表示すれば分かるのですが、図形化している部分はドット荒れが目立ってきます。 しかし、今回紹介した方法を用いた他の部分の場合、いくら拡大しても文字のアウトラインは崩れてはいません。 他の文章の部分と同等で完璧なPDFファイルとなっています。 また、元の Writer の文書ファイルを使えば、文字列の修正(文字列そのものとその装飾ともに)が簡単にできるのです。 PDFでなく、通常のプリントアウトも当然できるのです。



2005/12/02 より始めました。