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第27回 OpenOffice.org 2.0 β2  ハイパーリンクがPDFに反映される!      

OpenOffice.org 2.0 β2 の新機能について

 OpenOffice.org 2.0β2(以下 OOo2 β2とする) が先日リリースされた。日本語版である。 なお、ベータバージョンの正式バージョン番号は 1.9.125 である。 早速、これを使ってみたのでレポートをしてみたい。

 以前、OpenOffice.org 2.0独自ビルド版を利用していたとき、ギリシャ文字系の入力に乱れが生じるトラブルが起こった。 英語で入力する日本独自の入力形式を取り入れたり、国際標準の英語入力に中途半端な形で戻したりしたときのこどである。 今回の OOo2 β2は、本家からリリースされたもので、入力形式は国際標準に戻されている。 したがって、今回の OOo β2 にはそのようなトラブルはなく順調な仕上がりになっている。

 OOo2 の新機能として、表計算ソフト Calc の行数が Excel と同等になったことや、 ワープロソフト Writer の表内の表が可能になったことなど、 マイクロソフト Office との互換性アップを取り上げている記事が多いようだ。

OpenOffice.org の売りは 「PDF文書が作成できる」 こと!

 筆者(志)は、これらのことはあまり興味がない。 筆者のコンピュータにはマイクロソフトOffice はインストールされていない。この状態で2年間も過ぎている。 すべての事務処理において、OpenOffice.org を使用しており、 マイクロソフトOfficeを使うことがない。マクロ付の文書ファイルなどを扱わないからだ。 マイクロソフトOffice のファイルとの互換性も現在程度であれば十分であるからだ。 今回は、マイクロソフトOfficeとの互換性の問題より、OOo2β2での 「PDF化機能のアップ」 について述べてみたい。

ハイパーリンク付PDF文書が作成できる!

 1つは、先日、OOo2β2 を使っていたときに発見した。 Writer での PDF 出力について、「ハイパーリンクが反映されるようになった」 ことだ。 OOo1.1.4の旧版では、Writer文書にハイパーリンクを貼っても、 PDF 出力したものには、アンダーラインが引かれた文字が表示されるだけの 「単なる文書」 にしか変換できなかった。 しかし、今回の OOo2.0β2 では、文書内リンク、文書外のファイルリンク、ネットワークリンク(ホームページ等)を設定した文書を PDF化すると、出来上がったPDF文書にハイパーリンクが反映される様になっていたことだ。

有機的に連携できるハイパーリンク付のPDF文書

 これを使ってPDF文書間で相互リンクが貼れるため、関連文書間での利便性が大変増すことになる。 OOo以外でも、プリンタドライバー方式のPDF化ツールを使えば、文書をPDF化は可能である。 しかし、出来上がったPDF文書は、テキストとしての内容だけのものにしかならない。

写真の解像度指定ができるPDF化機能

 旧1.1.4版では、それまでのツールを使う場合と同様で、 PDF文書化は可能であったが、一応程度のPDF化出来たという程度の機能だった。 今回の2.0β2のPDF化機能は、ハイパーリンク以外にも、図の解像度指定機能も加わっている。 そのため、写真等を含むPDF文書作成では、解像度優先なのか、ファイルサイズ優先なのか、 その目的に応じて、PDF化の際に指定が可能になったのだ。 精密な画像を見てほしい文書は解像度を上げてPDF化することも、 挿絵程度で精密である必要がないものでは解像度を落としてPDF化するなど自由自在だ。

 このように、PDF化機能の向上度は大きく高まったものに変わっている。 フリーソフトとしての OOo2β2 の機能アップはβバージョンながら乗り換える価値を与えている。 OOo2β2の正式リリースは年末だろうと予想されている。それまで待つ必要はないだろう。。



2005/09/10  管理人(志)


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