「物理の小道」 ギャラリー

おまけグッズ編  くだらないと言えばくだらないものですが

第138回  飾り物シリーズ 伊藤園のお茶のおまけ

緑茶犬 リョク

  お馴染みのキャラクタとなった 「お茶犬」 です。このコーナーにも何度も出てきたキャラクタですが、今回のは緑色のお茶犬の元祖です。 筆者(志)のパソコンの壁紙のお茶犬でもあります。「疲れていない? ちょっとお茶しようよ」とつぶやく 「リョク」 です。

CPU戦争   〜 インテルとAMDの戦い本格化 〜

 先日、AMDがインテルを独占禁止法違反で提訴したとの ニュース があった。 また、Slash Dot Japan でも議論されています。 このニュースの裏側に何があるのかについて解説してみましょう。

 AMDの提訴の理由ですが、パソコンメーカー・小売店(デル、ソニー、東芝、日立、NEC、Gateway、富士通、Best Buyなど)に対し、インテルが独占的な地位を利用し、AMDの製品を組み込んだパソコン製造・販売を妨害したとのことです。 排他的取引、排他的リベート、略奪的価格設定、脅迫、威嚇などいろいろな手段でAMD製品発売の妨害などを行なったとするものです。

AMDの成功

 AMDはインテルのi486時代(MSDOS時代)にマイクロプロセッサーの互換チップを製造していた。 当時は企業の力からもまったくインテルの足元にも及ばない弱小企業であった。 その後、艱難辛苦を乗り越えてAMDは徐々に力をつけ、互換チップから自社の新チップ開発能力をも身に着けるに至り、 自社マイクロプロセッサーがインテルのペンティアムチップに対抗できる性能を持たせるほどまで成長したのです。 さらに、32ビットから64ビットへのプロセッサーの転換はインテルに先行してしまうこととなったのです。 慌ててインテルも64ビットチップを開発、出荷したもののベンチマークテスト(チップの性能テスト)で、AMDに遅れをとってしまっていることも明らかとなり、 AMDの64ビットマイクロプロセッサーチップが広く受け入れられつつあるのが現状です。 インテルの想定外のこの状況を作り上げることにAMDは成功してしまったのです。

インテルが焦っている理由?

 AMDチップに遅れをとったインテルは急遽64ビットチップを送り出すも、間に合わせ仕様のチップでは当然性能的に対抗できるはずもありません。 自社の本格的な64ビットチップを開発するまでの時間稼ぎも必要です。 AMDのチップをパソコン製造会社が本格的に採用されてしまうと、インテルの新チップが入る余地がなくなるからです。 そこで、AMDチップを採用しない条件で、インテルチップの値引き販売、出荷保証などで自社チップを採用することを求めている(AMDの主張)。

マイクロプロセッサーの新時代

 マイクロプロセッサーの性能向上はチップの動作速度の向上で達成されてきました。 昨年くらいからその手法による性能向上が困難になっていたのです。動作速度を上げると、消費電力が増してくるからです。 1チップ100ワットを超える電熱器に相当するような発熱のため、性能向上が難しくなってしまったのです。 インテルの研究方針も変えざるを得なくなり、先行して研究していた高速化を断念したのです。

プロセッサーは、マルチコア、メニーコアチップの時代へ

 現在までのマイクロプロセッサーは1つのパッケージに1つのプロセッサーが入っています(当然ですが)。 単体のマイクロプロセッサーチップの性能向上に限界が来たのだから、その性能を上げる手法を変えなければなりません。 そのヒントは大型コンピュータの世界(スーパーコンピュータ)にあります。 現在のスーパーコンピュータはパソコンレベルのコンピュータを多数組み込み(数万台規模)全体でひとつのスーパーコンピュータとする 「グリッド・コンピュータ」 という手法で作られます。 これをチップレベルで行えば良いのです。1つのチップに2つのプロセッサー(コアといいます)を作り込むものです。 現在実現されている究極は、次世代ゲーム機 PS3 に搭載される 「Cell」 チップでしょう。 ソフトウエアでは実現されていたことですが、ハードウエアでもこのような手法が実現してきたのです。

 マイクロプロセッサーの開発手法の根本からの変換で、AMD、インテルともに開発スピードに大きな影響が出てくることは間違いない。 2社の競争はユーザーにとっては大歓迎です。AMDがんばれ! インテルがんばれ! ですね。

2005/07/03  管理人(志)


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