海洋堂の精密模型は質の高いことで有名なものだが、今回のトンボはその上を行く出来だ。 トンボの羽の質感を見事に作り上げている。薄さ、羽の照りなど本物と思わせる技はすごい。 表面に薄く膜をコーティングして 「干渉」 という物理現象による羽の照りを表現している。 波動分野の 「薄膜干渉」 の復習をこの機会にしてみてはいかがでしょうか。
センター試験の問題は解けるのだが、2次試験の問題にはまったく手が出ないと嘆く受験生は多い。 物理の勉強を一生懸命やっているのに物理の成績が伸びないという人にアドバイスしよう。 物理の苦手な人は数学も苦手な人が多い。どちらにも当てはまることなので、自分の勉強方法を再検討してみてはいかがでしょうか。
基礎力は、定義、公式などを覚えること、それを使って計算できることなど、「手続き」 的な作業が出来れば修得できる。 このためには、繰り返しの練習(基本的な問題を繰り返し解く練習)だけでよい。 思考力を使うまでの作業ではないので、努力だけでの勉強でも簡単に対応できる。 英語の単語学習と同じ 「作業」 の勉強方法だ。
センター試験対策としてはこの基礎力を身につける勉強方法で対応可能だから、 まじめな生徒はほとんどが対応できる。だからこそ、センター試験の全国平均点が60点前後になるのだ。 しかし、2次試験対策となるとそう簡単ではない。 特に難関大学の2次試験の場合その壁は 「非情」 に大きい。 この壁を簡単にクリアできる 「物理の得意な人」 もいるが、 まじめなだけでは、いくら勉強してもこの壁をクリアできないという 「物理の適性の無い人」 もいる。 そこが 「非情」 の言葉の意味なのだ。
「物理の適性」、「数学の適性」 とはどういうものだろうか? 適性といっても筋肉の問題でも、脳みその問題でもない。問題を解こうとする姿勢にあるのだ。 まじめであるのに物理や数学が苦手な人が陥っていることなのだ。本人が気がつかないだけなのだから。 この 「適性」 は、本人に起因する 「素質」 という次元の問題でなく、誰でも改めることが出来る。
応用力を身につけるための勉強は、基礎力養成の勉強とは根本的に異なるのだ。 「物理が得意な人」 にはわかっていることなのだが、目先にとらわれる初心者(物理が苦手な人になる予備軍)ほど誤った勉強方法を取りがちなのだ。 一番の間違いは、問題の解答を見ながら、解答の計算過程を解釈しようとすることだ。 問題の解答を理解することは大切なことだが、この方法では基礎力の確認作業という段階に留まっているだけだ。 応用力養成にはあまり役立たない努力をしているだけなのだ。
この勉強方法でも、あらゆる問題に取り組む時間と努力さえあれば、ほとんどの応用問題が解けるようになるだろう。 しかし、2次試験の本番で 「新傾向」 の問題が登場することもある。 それまでに見たこともない問題を解くということは、解答の方法を知ることでなく、解法を新しく見つけることなのだ。
問題の 「解法を見つけ出す力」 が応用力の根幹をなすものであるのだから、 「解法を見つけ出す力」 を身につけるための 「勉強法」 を取らなければ応用力養成の効率は上がらない。 それなら、どうすればよいのだろか? そのような 「経験」 が出来る機会を増やせば良いだけだ。 問題の解答を見ることは、そのような「経験」 を得る機会をすでに損なっていることに気づいただろう。
応用問題を見て、この公式、この法則を適用すればよいと見つけ出す力は、 質の良い問題で、自分自身で体験して身につける以外にない。 なぜそのように考え付くのかの 「経験」 を何度も積めば 「応用力」 は自然と身についてくる。 基礎力養成の 「努力の積み上げ的な勉強法」 から、脱皮して 「質の勉強法」 に転換して行くことが応用力養成の近道なのだ。 ここで難しいのが 「質の良い問題」 とは何なのか? ということ。 難しい問題が 「質の良い問題」 という訳ではない。2次試験の標準レベルの問題で十分なのだ。 例を挙げれば、「物理の小道」 の 「挑戦編」 の入試問題研究にあるレベルの問題で良い。
問題文に取り組んで最初の5分は解答を見ずに自分の頭で考える。 それでも、解答への糸口がつかめないなら、解答の冒頭部を 「チラッ」 と見るだけにする。 解答全部を見てはいけない。解答への入り口がどこにあったのかを知るのだ(自分の敗北)。 その後、5分は自分の頭で考えるのだ。その繰り返しが、「考え方を見つけ出す力」 を育ててくれる。 「非情」 な点は、受験直前の3年生には 「時間が無い」 ということだ。 1、2年生にぜひこの「非情」 さを知ってほしい。
筆者(志)が高校生のときは、問題が解けるまで解答は一切見なかった。 2、3日考えているといろいろな解法が見えてくるのだ。 トイレ、風呂、電車の中などで思いつくことも良くあった。布団に入った途端にアイデアが湧くこともあった。 1ヶ月以上解けないままに頭のリストに残っていた問題もいくつかあった。 解答を見てしまう 「敗北感」 より、解けた時の 「快感」 を選んだためだ。