「物理の小道」 ギャラリー

おまけグッズ編  くだらないと言えばくだらないものですが

第170回  飾り物シリーズ コカコーラのおまけ

「KUMA(浮き輪)」

 KUMAフィギュア・シリーズですが、手抜き風のキャラクタですね(筆者の批評)。可愛くもないし、ヒットしそうには思えませんが...。 コカコーラのおまけシリーズには雑多なもので、統一感がないですね。一番の秀作は 「海洋堂の模型」 でしょうか?

原油高騰が続いている!

 昨年末は1バレル40ドル台だった石油市場が年明け以降も値上がりがつづいている。 8月末には、アメリカを襲ったハリケーン 「カトリーナ」 による製油施設損傷を見て、 一気に1バレル70ドルを突破した。28日には、70.70ドル、30日には70.85ドルと急上昇している。 今後の動きは80ドル突破は確実とNYでは語られているようだが、日本でも、100ドル程度でも日本経済は大丈夫だとの声もある。 日本では 「郵政改革」 で総選挙中だが、世界経済を揺るがす 「原油高騰」 の大問題について考える必要があるのではないか。

原油高騰の理由は 「ハリケーン」 ではない?

 ハリケーン 「カトリーナ」 は今回の 「原油高騰」 劇の1シーンの配役に過ぎない。 原油高騰の真の原因は、供給の先細り不安と、世界的な需要の増大によるもので、 「需要が拡大する中で供給が縮小すると価格が上昇する」 という経済学の教科書通りの筋書きだ。

 そもそも石油資源は、エネルギー資源の中でもっとも枯渇不安が高い資源だった。 埋蔵量が偏在し、その絶対量が限られていること、利用範囲が広範(エネルギー源だけでなく、化学合成製品など広範な用途)である。

巨大な中国の急激な経済発展

 需要面からは、世界経済発展がつづき、中国、インドなど、急速な経済発展が進むと同時に、 それらの国の石油需要が急激に増加していることである。 現在、世界的には中国経済の成長速度が突出し、年率8%の成長するごとにエネルギー消費量が急拡大する。 供給が限られている中、需要が急拡大するのだから、価格高騰は必至となるのは当たり前だ。 しかも、現在の世界経済では、異例の低金利状態で、投機資金は運用先に困っている。 利益を求めて投機資金が株式市場から原油市場に流れ込んだことも急騰の理由につながっている。

原油価格はどこまで耐えれるのか

 石油危機のときの価格水準に物価上昇を見込めば1バレル100ドルに相当との声もある。 日本経済は、石油危機以来、省エネルギー投資を繰り返し、省エネ技術は世界最高レベルになっている。 そのため、世界各国の中でも石油依存率は非常に低くなっており、原油高には耐性を持っている。 現在、ガソリンが1リットル130円前後まで上昇している。これだけでも、運輸関連企業は大きなダメージを受けている。 テレビニュースでは、食品関係企業の魚練り製品(ちくわ、こぼう天、はんぺんなど)の値上げや納豆の値上げなどが伝えられている。 前者は漁船の燃料油、後者はパッケージのコストアップによるという。 直接、間接のコストアップから、物価上昇の風が吹き始めているのだ。

物価上昇は日本経済のデフレ脱却の追い風になる?

 原油価格の上昇は、広範な物価上昇につながることが、デフレ経済脱却につながり、日本経済の立ち直りにプラスになるのだろうか。 経済発展にともなう物価上昇の場合、物価上昇の中での 「お金の移動」 は国内から国内での循環移動だ。 新たな投資を生み、経済が成長し続けるためになる。 今回の物価上昇は 「日本から産油国への金の移動」 だから、循環的経済成長の助けになるものではない。

 製品価格の上昇で消費者の購買力が落ちれば需要が減少する。このため、供給に対し需要が弱くなるので、製品のコストアップを100%製品価格に転嫁できないケースが多くでるだろう。 その場合、生産量減少と製造コスト増のダブルパンチを受け、企業は利潤を大きく落とすことになる。 日本経済は物価上昇、不況の泥沼 「スタグフレーション」 になるようですね。 スタグフレーション(stagflation)とは、stagnation(不振、停滞) と inflation(暴騰、インフレ) の合成語で、意味は 「不況下の物価上昇」 である。 消費者にとっては、収入減少、物価上昇のダブルパンチとなるのです。

2005/09/01  管理人(志)


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