「物理の小道」 ギャラリー

おまけグッズ編  くだらないと言えばくだらないものですが

第188回 文具(セロテープ) なっちゃんのおまけ

「なっちゃんの小物シリーズ  〜 セロテープ 〜」

 「なっちゃん」と名づけた「ジュース系飲料」のおまけ。事務グッズがおまけで、今回のものはセロテープです。 もちろん、セロテープにはなっちゃんマークが入っています。テープケースはみかんをデザインしています。

NHKスペシャル 「日本の群像」 最終回
       〜「半導体に挑んだ旅路」 を見て 〜

 日本半導体の没落の経過とその裏側を特集したものだった。 NHKスペシャルで放送していた 「半導体に挑んだ旅路」 は、筆者(志)にとって非常に味わい深いものでした。 その番組を見ての感想を紹介しましょう。

日本半導体メーカーの黄金期  〜 追いつけ追い越せ 〜

 筆者(志)は、半導体メモリーの創世期から劇的な発展過程を見つめてきました。 70年代後半、半導体メモリーはアメリカの会社(インテル、メモレックス)でした。 半導体メモリーの1チップの容量が1キロビット(1000ビット)という小さなものでした。 それでも、1チップの値段が1千円もしていたのです(1ビット1円ともいわれていましたね)。 それが、4キロビット、16キロビット、64キロビットとチップ容量が4倍ずつになってゆくのです。 現在では、1チップがギガビットオーダー(10億ビット)担っているのです。 しかも、1チップ数百円程度の値段ですから、皆さんには想像すら出来ないでしょう。 日本の半導体技術は、1980年代にアメリカに追いつき、追い越したのでしたのは、16キロビットから64キロビットのあたりでした。

 日本が半導体製造でアメリカに挑んだ頃の技術者たちは夢を追い続けたものだった。 三菱、日立、NEC、東芝などが互いに競い合い、巨額の投資を続けながら追いつ抜かれつの競争で、世界シェアのほとんどを牛耳って行くまでになったのです。 特に、半導体不況下で投資を続け64kビット、256キロビットで成功した東芝が象徴的だった。 日本半導体製造での黄金期といえる時代でした。 そこに、日本のバブル崩壊が訪れたのです。バブルに踊っていた日本中が打ちのめされたのです。

日本半導体メーカーの没落と韓国半導体メーカーの急発展の裏に

 バブル崩壊の余波で、半導体メモリー製造のための巨額開発投資ができなくなった日本メーカーは半導体製造に力を注がず、 半導体製造での技術発展を鈍らせるだけでなく、事業縮小を図り、従事していた技術者を大量にリストラしてしまうのです。 リストラされた技術者は、日本メーカーに見捨てられたわけです。

 見捨てられた半導体技術者たちですが、彼らを高待遇で迎え、彼らを救ったのは韓国、中国メーカーでした。 その後、半導体製造分野で、韓国を中心として飛躍的な発展が起こり、日本をはるかに引き離してしまったのです。 その発展の裏に日本メーカーに見捨てられた彼らの働きがなかったといえばうそになります。 その結果が現在の日本半導体メーカーの姿です。自業自得といえばそれまでですが、バブル崩壊ではそこまで見通すことは出来なかったのです。

半導体メモリーは韓国、プロセッサーは米国

 現在、半導体メモリーの製造分野で、韓国サムスンが世界で独走状態となっています。 製造技術だけしかなかった半導体メモリーにそれほどのノウハウはなく、韓国は一気に日本を抜き去るのです。 一方、アメリカは、日本に追い越された以降、技術レベルが浅い半導体メモリーから、知的レベルの高いマイクロプロセッサー開発に全勢力を集中することにしたのです。 技術だけのメモリーと比べて、プロセッサー技術は知的技術に相当するので、簡単に追いつかれるものではないとの判断でしょう。 その結果が、インテル社、AMD社によるマイクロプロセッサーでの世界制覇が実現したのです。 メモリーは急激に値崩れするが、プロセッサーはメーカーが少ないので値崩れしにくいのです。 半導体の分野でいえば、「おいしい」 ところをアメリカは確保したということですね。 Wintel(ウインテル)と呼ばれるように、パソコン業界ではハードを作っても儲けはほとんどありません。 マイクロプロセッサーとOS(Windows)の価格がほとんどを占めている現在、作っても儲けはほとんど出なくなってしまったのです。 マイクロプロセッサーが1万円から数万円、OSが1万数千円にもなるのです。これらはすべてアメリカに吸収されるのです。

日本の生きる道はどこに?

 半導体メモリー分野で D-RAM は日本メーカーはただの1社(エルピーダメモリ社)だけとなってしまった。世界シェア数%まで落ち込んだ日本はこれ以下のものはない。 アメリカのマイクロン社も同様で、韓国勢に完全に牛耳られてしまっている。デジタルテレビなどの特殊なメモリーなどで細々と生き残ることは出来るだろうが、 かつての勢いを取り戻すのは難しいだろう。幸い、システム半導体については国際的に競争力が残っているようだから、 この分野で世界を先導することが出来るのではないだろうか。

2005/11/25  管理人(志)


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