「物理の小道」 ギャラリー

おまけグッズ編  くだらないと言えばくだらないものですが

第196回  ボトルキャップ ペプシコーラのおまけ

StarWars EP3  〜 ヨーダ 〜

 ヨーダは見かけ上は物理的なパワーがなさそうな小さいキャラクタですが、異様な姿から受ける迫力が感じられる。 スターウォーズで全編にわたるも中心となるキャラクタです。フォースというものは物理では説明できないものですが、 ジェダイの中でもフォースの使い手といえるでしょうね。

東京工業大学の特別入試制度が2006年から始まる!
   入試科目は 「数学」1科目 のみで5時間!

 私立大学で流行した「入試科目削減」は志願者増を狙った「技」というのが本音のようです。 大学側が受験生増加を狙い、「志願しやすい、受験生の負担を軽減した」ことを 「一芸に秀でた」という美辞麗句のもとに導入したのも事実。 経営手段としての「入試科目削減」で終わってしまった私学の事例とは異なる試みが、国立大学の独立行政法人化により始まるようです。

 今回発表された東工大の「数学1科目入試」は私学が実施してきたものとは意味が大きく異なるようです。 東工大が今年の秋に実施しようとするこの入試は 「特別AO入試」 という形態でセンター試験前(11月頃?)に行われます。 センター試験を課さないとのことで、完全に数学1科目のみの入試になるようです。 大学側がこのような発想を持ち出すのも、次のような事情があるからでしょう。 最近の生徒は「考える力」が落ちたと言われています。論理的に分析、表現することも苦手になってきたことでしょう。

「解答技術」 ではなく、「考える力」 を評価すべし!

 生徒が教育を受ける現場にも 「論理的に分析、表現」という発想が少なくなったのも事実です。 この教科をマスター(単に入試で点数が取れる)する「テクニック」伝授の発想が教育現場に多すぎるのです。 授業がマニュアル化し、プリントが増えたのも事実です。プリントを元に授業を進めるのは「授業の効率化」のためですが、 その弊害として、生徒がノートを取れなくなってきたのも事実です。

授業内容を再構成し、ノートにまとめる力

 最近の生徒には、黒板に書かれた内容を「丸写し」するだけのノートしか作れない生徒が多くなっているのです。 笑い話ではないのですが、このような抗議を生徒から受けたことがあります。「先生は黒板に色チョークを使いすぎです!」とのこと。 ノートを取るのに色ボールペンが足りないことらしく、多色のボールペンを筆箱に入れている生徒も結構いました。 筆者(志)の時代でも先生(特に物理の先生)は色チョークは多用していました。 しかし、当時の生徒の筆箱にあるのは黒鉛筆だけが普通でした(一部赤鉛筆を入れている生徒もありましたが)。 実線、点線、太線など表現方法を利用して必要なことはノートに書いていたのですが...。. ノートは黒板に書かれたことの複写記録ではないのです。自分のためのものですから、説明の必要がないことまで書かなくて良いのです。

 授業のため仕方なく始めたプリントですが、生徒の表現力を育てることにはマイナス要素となります。 授業の内容を一度自分の頭で考えた上でその真髄をノートにまとめるということが欠落してしまいます。 「論理的に分析し、その内容を手短に表現する」が理解を深めるのですね。 筆者が大学受験した頃の成績優秀な生徒はクリアしていたことなのですが、 最近の生徒では、上位クラスの生徒でもこの様な力が十分とは言えないようです。

教師も生徒も勉強が 「マニュアル化」 したのが原因?

 管理人(志)が受験した時代の頃とは大きく変化したのが数学などの入試問題です。 数学の入試問題が軽量化(内容の平易化)、誘導化(小問で論理展開を誘導)してきたのも事実でしょう。 白紙答案にならないように、出来ない生徒にも答が書けるようにとの配慮のためでもあるでしょう。 問題形式において論理の展開が重視されず誘導形式に偏りすぎているのも事実(数学に限りませんが)です。 この傾向は、入試の採点業務において紛れが生じない(いろいろな解答が出てこないため、得点の客観化)ためもあるでしょう。 このような傾向に立ち向かう試みが、この「東工大のAO入試」の動きでしょうね。

東京工業大学の挑戦が成功することを願う

 いろいろな所で、東工大の試みを 議論 [/.Japan] しているようです。 外野席から好きなことを言うのは簡単で、議論は大いに結構でしょう。筆者(志)も楽しめる議論ですのでご覧下さい。 「数学より国語の方が良い」などとよからぬ方向に議論が集中し盛り上がっていますが、彼らの議論でいう「国語」の力が「受験の国語」の力を意味しないことが重要です。 外野席の議論は横に置いて、当事者である現2年生(現3年生浪人組含めて)と東京工業大学の先生たちは真剣勝負です。 初めてのことで苦労があるでしょうが、この試みが成功することを祈っています。

 このような入試形態は「ドンキホーテ的終末」を迎えて終わったケースが多かったようです。 このような試みが全国的に広がってゆき、商業ベースに乗る(他大学が同様の入試を始め受験生数が増える)と、 予備校での対策が行き過ぎて本来の目的とはずれが生じることで意味を失う(再びマニュアル化)ためです。 東工大の試みは商業ベースには乗りそうに無いですから大丈夫といえそうですが...。 でも、一般入試の前に受験生「青田刈り」の目的で他大学が始めだすかもしれませんがね。

2006/03/14  管理人(志)


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