「物理の小道」 ギャラリー

おまけグッズ編  くだらないと言えばくだらないものですが

第71回  ペプシのおまけ

    ハンドベルシリーズ より

ハンドベル「タンブリン」

 今回はベルが白いシリーズでペプシコーラダイエットのおまけです。もちろん演奏者は主人公 「スヌーピー」 です。 このハンドベルシリーズで始めての登場となるスヌーピーですが、耳が丸く曲がっているのはご愛嬌でしょう。 音は高い方の 「C」 です。

 ハンドベルがいろいろと揃ってきたので音階になっているかどうかを調べてみました。 予想通り見事に変調された(?)音階で、適当に作られたハンドベルでした(素人でも分かる程のずれがありました)。 百数十円の商品についているおまけですので、当然といえば当然です。 楽器ではなく、「おもちゃ」 だということでお許しを頂けるようです(筆者も許しました)。


[話題] 最新科学ニュースより @ 〜「TOP500」 とは? 〜

 話題は変わって、「TOP500」 という言葉をご存知でしょうか? 名前からして、何かの 「ランキング」 のようですが、何のランキングなのでしょうか。 世界の大金持ちのランキングではありません。陸上競技の記録のランキングでもありません。 これは、コンピュータのスピードのランキングなのです。

NEC社製のスーパーコンピュータ 「地球シミュレータ」 とは

 このTOPO500のランキングの首位を2002年からずっと占めていたのは日本のNEC製のスーパーコンピュータ「地球シミュレータ」でした。 最新科学ニュースでも紹介していますが、このスーパーコンピュータ 「地球シミュレータ」 がついに首位転落になったというニュースが先日伝えられました。 そのスーパーコンピュータはアメリカのIBM製の 「ブルージーン/L」 という製造途上のものと、アメリカのシリコングラフィックス社製の 「コロンビア」 の2台です。

 「地球シミュレータ」 は名前の通り 地球環境をコンピュータ上で構築し、いろいろな環境変化が地球全体にどのような影響を及ぼすかなどの研究のために膨大な計算量こなすために作られました。 二酸化炭素による地球温暖化現象などの将来予測など大きな成果を上げてきていました。

NEC社製 「地球シミュレータ」 TOP500の首位から陥落!

 アメリカのコンピュータメーカーは 「TOP500」 の首位を日本から取り返すため、 「『地球シミュレータ』 をはるかに超えるスーパーコンピュータ製造を!」 アメリカの威信にかけた事業として取り組んできたのです。 その成果が、今回のIBM 「ブルージーン/L」 てす。 今回トップに立ったスーパーコンピュータ「ブルージーン/L」は目的の最終完成段階ではなく、 製造途上でのものです。途上のものとしての能力でありながら 「地球シミュレータ」 の能力の2倍を超える計算速度を達成してしまったのです。

スーパーコンピュータの変遷 @ 〜 スーパーコンピュータそのものの性能アップする時代 〜

 昔のスーパーコンピュータは1台の巨大かつ高性能なコンピュータでした。 すなわち、スーパーコンピュータは、コンピュータそのものが 「スーパー」 で、 スーパーコンピュータ内部に、並行処理で計算を行える 「ベクトルプロセッサ」 と呼ばれる専用の計算処理機能を備えたものでした。 したがって、スーパーコンピュータを開発することは、コンピュータそのものを根底から作り変えるというものでした。 そのため、開発には長い時間がかかることと開発費も膨大な金額になるのです。 そのため、この方式でのスーパーコンピュータ開発は行き詰まってまいました。

スーパーコンピュータの変遷 A 〜 スーパーコンピュータは並列処理・規模の拡大の時代 〜

 現在のスーパーコンピュータは1台の巨大高性能コンピュータではありません。 既存のコンピュータを多数組み合わせて、計算作業を分担して行う 「グリッド型スーパーコンピュータ」 という仕組みになっています。 皆さんが持っている普通のパソコンでも数千台、数万台が協力して計算作業を分担すれば、スーパーコンピュータに変身出来るのです。 この方式の利点は、グリッドを構成しているコンピュータそのものは既存の技術そのものです。 そのため、従来の全体を新規開発するのに比べて開発コストが大幅に小さくなるのです。 また、部品そのものは大量生産されているものなので、単価が安くなることなどが利点となっています。 しかし、このコンピュータシステムには必然的に通信によるボトルネックが存在します。 それぞれのコンピュータが計算をした結果を集約・交換するために必須となるのがコンピュータ間の通信です。 コンピュータ間の通信速度により、システム全体の処理能力の低下が必ず生じてきます。

TOP500首位のIBM 「ブルージーン」が目指すものとは

 スーパーコンピュータの仕組みについて知らない人は、製造途上のコンピュータがなぜ動いているの?との疑問が出そうですが、 近年のスーパーコンピュータは昔のスーパーコンピュータとは仕組みが異なるからです。 上の説明にあるように、スーパーコンピュータは並列処理、規模の拡大によるため、製造途上でも、コンピュータは動いているのです。 例えば、製造初期が8台であったとしよう。8台が同時並行に動くが、8台ではパソコンとの違いはほとんど無い(うまくいっても8倍程度)。 しかし、最終目標の数万台まで行けばスーパーコンピュータになるからです。 製造途上の段階でも、組み合わせた台数が少ないだけで、動いているのです。 それでも、地球シミュレータより速いのですから、最終段階ではどこまで速くなるのでしょうか。 また、日本のコンピュータメーカー(NEC,日立、富士通など)はどうしているのでしょうか。 次回は、これからについて解説してみましょう。ご期待ください。


2004/11/11  管理人(志)


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