「物理の小道」 ギャラリー

おまけグッズ編  くだらないと言えばくだらないものですが

第73回  ペプシコーラのおまけ ハンドベルシリーズ より

ハンドベル 「サリー」ちゃん

 今回のハンドベルもペプシコーラダイエットの白バージョンのものです。 キャラクタはチャーリー・ブラウンの妹 「サリー」 ちゃんです。 ハンドベルの音は 「D」 です。


SSH交流会のついでに 「SPring8」

 11月12日(金)、兵庫県立大学附属高校の 「SSH研究発表大会」 に1年生総合理学コース生が参加しました。 県立大学附属高校の生徒の研究発表(講堂での代表発表のほか、全員のパネル展示+生徒説明)など、充実した発表がたくさんありました。 生徒による生徒への説明など生徒同士の交流もできたようです。

 県立大学附属高校は赤穂郡上郡町光都にあります。 「光都(こうと)」という地名は、文字通り 「光の町」 を意味します。 「放射光」 という強い電磁波(X線)を発生させる 高輝度大型放射光施設 「SPring8」 がある町だからです。

 放射光とは、電子が加速度を受けて曲がるとき接線方向に発生する強い電磁波(X線)のことを言います。 「電子が加速度を受けて曲がる」 とありますが、どのようにして電子を曲げるのでしょうか? 中学校で習ったあの 「フレミングの左手の法則」 のときの力(電磁力)を使えばよいのです。 では、強いX線は何に使われるのでしょうか。


SPring8で出来る事とは

 「SPring 8」 は巨大なX線発生装置です。普通のX線発生装置の1億倍強力なX線を発生させることが出来るのです。 普通のX線発生装置を使って1日かかる実験であっても、あっという間に終わってしまいます。 何しろ、1億倍のX線が発生するのですから、X線写真をとる場合でも、1億分の1の時間ですんでしまいます。 X線を使って分析する場合、原子の量に反比例して分析しにくくなります。 このことから、SPring8 を使う分析では、微量元素の分析などで特に有利になります。

SPring8 は 物理の理論で作られたが、利用するのは、化学、生物、医学、薬学、農学、....

 SPring8を使った研究事例は、主に化学、生物、地学、薬学、医学などの分野で分子構造の解析に使われることが多いようです。 分子構造を調べて研究をするのは化学だけではありません。生物の分野では、酵素、たんぱく質など生命現象を動かしている物質の分析にも使われます。 地学では、岩石の構造と圧力の関係を調べ地球内部の状態を再現して実験をするなどです。 医、薬学では、自然界に存在する薬効成分(薬草などの抽出液成分)がどのような分子構造を持つか、どの構造に薬効成分が現れるか、 薬として合成するにはどのようにすればよいのか、合成された薬が基の薬効成分と同じなのか、など分析対象は無限にあります。

X線解析の理論は、高校で習う物理学にある 「ブラッグ反射」の 理論

 X線を使って分析する方法とはどのようなものなのでしょうか。 基本原理は高校物理の教科書に出ています。「ブラッグ反射」の条件式がそれにあたります。 名古屋工大の井田先生のWebサイトに 「ブラッグ反射」 の 資料 がありますので、詳しく知りたい人はご覧ください。

 このように、生物や化学に進んでも、自分の研究で必要となる分析(分子構造の分析)が必要となるのです。 この分析の原理となる部分は、数学、物理学に帰着するのです。 深く理解しようと思えば、その分析の裏づけとなる知識として、数学、物理学が登場するのです。 近年、境界領域の学問が盛んになり、生物物理学、生物化学、物理化学など名前だけからでも想像できるほどです。 入試で必要な科目が全てではありません。学問、研究に必要な知識は、国語、社会まで含めた総合力が必要になる場合が多くあります。 視野の狭い勉強をしていると、大学、大学院へ進学したとき自分の限界を見てしまいます。 自然科学という広い視野で基礎知識を身につけることが必要な時代なのではないでしょうか?

2004/11/13  管理人(志)


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