物理の小道


番外編ロゴ 日本橋だより 〜現況報告〜

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出来る限り要望に答えたいと思います。(日本橋行きは毎月1回以上を考えていますので急な質問には答えかねますが)


2004/04/28 第5回 鉱石ラジオが付録の学研「大人の科学」を衝動買い! 
       〜 小学校時代をなつかしく思い出した。管理人(志)〜

「大人の科学」〜最近流行の付録付き雑誌の一つ〜

 今回は日本橋とは縁が薄いように見えるタイトルだが、 最近、話題になっている付録付きの雑誌「大人の科学」の付録の話が今回の話題。 「大人の科学」は創刊号の頃から書店の店頭で見つけ、注目していた雑誌だった。 今月号を衝動買いをしてしまった理由は「鉱石ラジオ」の特集号だったのが理由。
 この雑誌は毎号、面白い付録が付き、探偵セット、日光写真、ピンホールカメラなど 子供の頃に遊んだ科学玩具が次々と登場しています。 子供の頃を思い出しながら中年のおじさんが楽しそうに付録を組み立てている。 そのような姿を見るだけで「なんと日本は平和なの」とは思えませんか。 子供の理科教育のためにと理由を付け、自分が楽しむ、雑誌の狙いはそのようなところでしょう。 この雑誌の付録には、これからも注目する必要がありそうです。

「大人の科学」〜最近流行の付録付き雑誌の一つ〜

 付録の「鉱石ラジオ」に誘惑され筆者が衝動買いしてしまったこと、 「鉱石ラジオ」が広い意味で電子工学関係ということ、以上の2つから 日本橋関連と判断できると無理やりしました。 (~o~;)
 筆者が小学校の頃、父親からのプレゼントとして「鉱石ラジオ」キットを貰った。 部品数も少なく小学生でも簡単に組み立てでき、 実際に使ってみると、電池が無くてもラジオが鳴る(聞こえる)。 その不思議さに感激したのでした。 現在は科学技術が更に発展しラジオ自身の位置づけも低くなってしまったのですが、 ラジオがどのような仕組みで出来ているかを知るだけでも、科学に取り組む大きな一歩となることは、今も昔も変わらない。 特に、鉱石を使う原始的タイプのラジオ(今回の付録もこのタイプ)はどこにもブラックボックスが無いものである。 単なる石を使ったラジオなので、 ラジオの原理を理解しやすい。難点は性能が良くない(聞こえ難い)こと位だ。 幸いこの近辺ではラジオ局の送信電力が大きいので「鉱石ラジオ」が作動してくれる。 その上、いろいろと鉱石(金属の酸化物も可)を試して性能を高める楽しみもある。

付録の内容詳細

 コイル用のエナメル線、コイルをとめる支持枠、ラジオケース、 クリスタルイヤフォン、バリコンに相当する金属板、配線コード、 検波用の鉱石(検波用ダイオードも)など必要なものは全て揃っている。
 この様なキットに、鉱石まで入っているのは珍しい。 また、信号増幅用のプリント基板も入っているので、 電波でが弱くても受信可能なようです。 製作についての説明は、附属(?)の本に詳しく書かれている。 なお、本には通信技術の歴史(マルコニ−とテスラーの話など)、 ラジオ放送の歴史、ラジオ放送の受信機の歴史なども詳しく記事として書かれており、 本もなかなか面白いものだった。

ラジオ電波受信用の「スパイダーコイル」の作成が作業の大部分

 鉱石ラジオの組立作業に取り掛かってみましょう。最初にする作業は、ラジオ電波を受信するスパイダーコイルの製作からです。 名前の通り「くもの巣」の形をした受信コイルです。このコイルは、鉱石ラジオの本体として見た目も美しいものです。 このコイルを美しく巻くことで、鉱石ラジオの存在感を高めてくれます。 作業そのものは、エナメル線を枠に丁寧に巻いてゆくだけですから難しいところはありません。 この作業以外ではそれほど時間はかかりませんので、組立作業は30分ほどで終了しました。




追補: ラジオ放送の仕組み

AM方式( Amplitude Modulation )とは

 ラジオ放送の第一世代は、AM方式のものでした。AMとは Amplitude Modulation (振幅変調)の略で、 電波の振幅の変化で音の波を表した放送方式を言います。 ラジオ放送を送り出す放送局の送信装置の構造が簡単でるため安価に作れる。 そのうえに、ラジオ放送を受け取るユーザー側の受信装置も 今回の鉱石ラジオのような装置で受信可能となるほどだから大変安く作れる(100円ショップで売っている!)。 以上のことから、現在でもこの方式の放送は使われており、AM放送とよばれている。 神戸ではラジオ関西(AM神戸)が有名である。 全国的な規模で放送されるNHK第1、第2放送がこのAM方式を取っている。 電波がビルの陰を含めて比較的伝わりやすいことから、カーラジオなどでは必須の方式である。 しかし、音楽を聴くためには音質に難点があること、 周辺雑音電波によりノイズが乗りやすいことなどから、次に説明するFM方式へと移り変わってきている。

FM方式( Frequency Modulation )とは

 ラジオ放送の第二世代は、FM方式です。FMとは Frequency Modulation (周波数変調)の略で、 電波の振動数を変化させることで音の波を表している方式を言います。 このFM方式は、搬送波(放送電波)の振動数が高くなることにより、 ビルの陰などの障害物により遮蔽されるため、電波が広範に伝わらないという欠点があります。 なお、この欠点は他局の電波との混信や干渉が少なくなり、ローカル局にとっては長所といえる。 しかし、音質に優れることから音楽を主とする放送局で使われている放送方式になります。

デジタル方式とは

 AM、FM方式は従来からのアナログ方式の放送形態だが、ラジオ放送の第三世代は、デジタル方式です。 デジタル方式は音をデジタル化し、その信号を圧縮たデジタル符号を電波に乗せる(変調する)。 変調方式は、振幅と位相を同時に変調してデジタル符号を送信する技術が用いられる。 デジタルでは、符号圧縮という技術で伝送帯域が少なくて済むこと(電波の有効利用)、 雑音などでの情報欠落を復元する技術を使って、耐雑音性能を高めることも可能になる(信頼性向上)。



2004/04/30 管理人(志)

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このページは、2004/01/26 に始まりました。