物理の小道


日本橋だより 〜現況報告と雑感〜

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2004/06/09 第19回 小さいながらも一人前! ミニサイズリモコン自動車「DigiQ」

手のひらに乗るリモコン自動車!

 今回の話題は、上の写真(クリックすると拡大表示に変わります)に示す 超小型のおもちゃ 「DigiQ」 です。 手のひらに乗せた DigiQ を撮影していますので、DigiQの大きさが良く分かると思います。 このような超小型の DigiQ ですが、専用の赤外線リモコンを使って、 普通のラジコン(注)の自動車と同等のことが可能です。 右左にハンドルを切り、前進、後進、スピード調節がすべて出来るのです。 本格的なリモコン自動車といえるものです。
皆さんの中にも、この DigiQ を持っている人がいるかと思いますが、 筆者(志)はこれを最近、コーナンの店頭で見つけ、購入しました。

 この DigiQ は、小さなボディにこれだけの機能が詰まっており、 その技術が大変気に入り、更にもう1台を後に購入してしまうほどでした(合計2台所有)。 リモコンのチャンネルは4チャンネルまであり、 同時に4台までコントロールできる(レースができる)ようです。 購入金額はここでは示しませんが、 原型の「チョロQ」と同じ大きさですから、 「大きさだけから考えれば」 値段が1桁違う大変高価なおもちゃです(反省)。

(注) 「ラジコン」は「RC」と略されることもありますが、Radio Control(無線操作)が語源で、電波でコントロールします。

チョロQと同じサイズそのままで、リモコン機能を組み込む

   このおもちゃの構造を見てみましょう。 自動車ですから、車輪、ボディがあるのは当然です。 リモコン機能を実現するために 「指令を受信する仕組み」、 「指令通りに車輪を動かす仕組み」 が必要になります。 指令を受信する部分ですが、 ボディ後部に丸いドーム状の部分がそれです(写真をクリックして拡大してみると良く分かる)。 この部分に指令を受信する 「赤外線受光部」 が埋め込まれています。 埋め込まれているというより、光センサー(フォトダイオード)そのものが付いています。 テレビなどの家電製品のリモコンと同じ仕組みであれば(多分同じでしょう)、 赤外線を約3万ヘルツで断続させた赤外線を搬送波(注)として通信していることになります。 なお、3万ヘルツで赤外線を断続させる理由は、自然界の赤外線と区別するためです。 自然界の物体から出る連続赤外線(断続しない赤外線)なので、これと区別するためです。

(注) 「搬送波」はコントロール信号を乗せるために使う波(電波、赤外線)です。ラジオ放送であれば、ABC朝日放送ラジオであれば、音声信号(音楽や声)を1009kHzの電波(搬送波)に乗せて放送しているということになります。

普通サイズのリモコン自動車と中身はほぼ同じ。ただ小さいことにびっくり

   受信した指令を実現するには、通常のリモコン自動車の場合、 車輪の向き(ハンドル)、車輪を回す速さ(アクセル)の2つをコントロールします。 ハンドル機能を実現するメカニズムには、サーボーモーターという特殊なものが使われるのですが、 小さなボディに余裕の隙間はまったくありません。 これを省略して、左右の車輪の回転数を違えてハンドル機能を実現します。 この仕組みは、ブルドーザーに使われています。左右のキャタピラの速度を変えて車体の向きを変える。 左右のキャタピラの回転を逆向きにするその場でブルドーザーを一回転させることも可能です。
 そのためには左右の車輪の速度を変えるために車輪をまわすモーターが2個必要になります。 DigiQ も小さなボディの内部に、左右の車輪それぞれをまわす超小型モーターが2台が巧妙に組み込まれています。 裏返して見ると、そのモーターは非常に小さなモーターであることが分かります。 駆動するエネルギー供給は、充電式ニッカド電池です。 1回の充電で数分間駆動可能です。これは電池が大変小さいので仕方が無いことでしょう。 左右のモーターを統括してコントロールする電気回路(小さくするため専用ICが窓の中に見えている)など 全ての部品が写真のような小さなボディに詰め込まれているのです。 筆者が興味を持ったのは、リモコンで遊ぶことが目的ではありません(苦笑)。 このような細密技術の一つの事例としての 「DigiQ」 であるためです。



2004/06/08 管理人(志)

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このページは、2004/01/26 に始まりました。