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随時、日本橋とは縁もゆかりもないテーマが時々登場しますが、お許しください。管理人の趣味的な内容の特集です。
100円ショップの筆記用具は実用的なものが安く入手できて皆さんも愛用していると思います。 普通の筆記用具ではお話としては面白くありません。 そこで、科学技術の先端を取り込んだ「ボールペン」を取り上げることにします。 前置きの部分で発光ダイオードをボールペンに組み込んだらどのような利点があるのでしょうか。 真っ暗な中で字が書けるのは誰でも思います。しかし、真っ暗な中で字を書くケースは実生活のなかでは通常でありえない設定です。 実生活の中でこのボールペンが活躍する1つのケースは、夜の帰宅時の玄関先です。 胸ポケットから取り出して鍵穴を照らすなどのちょっとした照明として非常に便利なのです。 筆者が購入した「発光ダイオード・ボールペン」の初代は、黄色の発光ダイオードのものでした。 小さなボタン型の電池が使われているのですが、電池は結構長持ちし、ボールペンの寿命(数ヶ月くらい)は使えています。 照明の使用頻度、時間により大きく変わると思いますが、随分長持ちしました。
愛用のLEDボールペン初代が電池切れで発光光度が弱くなってきたので、 2代目に交代することにしました。 100円ショップで見つけたのは、今回紹介する赤、緑、青の3つの発光ダイオードを組み込み 7色に点滅する新型のものでした。 「このようなボールペンが100円で作れるなあ」と感心しながら、購入したのです。 税込み100円ポッキリの商品で、ボールペンですから字も書けます(笑)。 ボールペンのボディにあるボタンを押すと、発光モードが変わり、単色、点滅、7色発光のモードになります。 写真撮影には苦労がありました。真っ暗にすると色がきれいなのですが、ボールペンらしく見えないし、 明るすぎると発光ダイオードの色が見えない。適当な明るさにするのに苦労しました。
このボールペンを構成している部品を順にあげて見ましょう。 使用している部品として、ボタン型電池3個(これだけで100円するかも)、 赤、緑、青のLED3本(これだけでも数十円するかも)、 点滅させるために当然使われている制御用IC、 発光モード切替のスイッチ、 それに、ボールペンそのものの部品とコストは100円を大きく超えそうです。 それに、ボールペン部分もインク芯部分が回転繰り出し式となっている高級品(?)ですから ボールペン機能に手抜きはありません。立派なものです。
このボールペンは当然ながら中国製です。
商品名が 「7COLOR LIGHT PEN」とあり、
キャッチコピーが 「光が変わる、7色プラス1色、楽しいボールペン」 です。
また、「暗闇でより美しい!」 ともあります。
ボールペン機能は、前述の通り、繰り出し式のもので、軸を回転させるとインク芯が出入りします。
書いてみると、やや太字の黒色のインクのボールペンです。
インクタンクは長さは構造上、短い特殊なものを使用しており、
インク芯を入手、交換するのは難しいでしょう(使い捨てボールペンになる)。
このボールペンを仕事で通常使用するボールペンとして使わないし、
サイン程度の使用ですから、これも支障とはならないようです。
電池の寿命ですが、説明書には連続点灯時間は3時間とあります。 通常使用する場合1回10秒程度までのケース(筆者の場合)がほとんどですから、 電池についても非常に長持ちして、半年以上の使用が可能です。 また、電池交換するため、別途電池を購入する場合、 ボタン電池(AG13)3個がいくらで購入できるのかが問題です。 100円かかるのであれば電池交換のメリットはないのだから。
青色発光ダイオードは 日亜化学 の 中村修二 氏により実用化された20世紀最後の大発明とされています。 現在は中村修二氏は会社を退社しアメリカの大学教授となって活躍しています。 先日、発明に対しての報酬を受け取る権利があるとの裁判で200億円の支払命令が出て有名になりました。 判決に会社側が不服で控訴しているため現在も裁判継続中ですが、画期的な判決として研究者たちに大きな夢を与えました。 この青色発光ダイオードは、現在では各方面で使用されており、 信号機、駅の電子案内板などで使われ始めました。
発光ダイオードは電気エネルギーのほとんどを光に変える優れた性質があります。 しかし、それまでは、赤、橙、黄、緑などの発光ダイオードは作られていました。 しかし、青色の発光ダイオードは無かったのです。 研究者たちは「青色」さえあれば 光の三原色である「赤(Red)」、「緑(Green)」、「青(Blue)」の3色が揃い、 何でもできると分かっていました。 テレビ画面、パソコン画面を「拡大鏡(虫眼鏡)」で見てください。 拡大してみると3色の小さな輝点が輝いているだけですが、 拡大せずに見るとそれぞれの色が出ていることがわかります。 赤+緑で黄色になり、赤と青で藤色、青と緑で水色、赤+緑+青で白色となっています。 人間の目にはそのように見えてしまうのです。 この光の三原色を 「RGB(色の名前の頭文字)」 とも呼びますが、 このRGB3色があれば全ての色が作り出せ、応用分野が無限に広がるのですから、 青色発光ダイオードの重要性は理屈ぬきにだれでも良く分かります。
「白色発光ダイオード」は、青色発光ダイオードと黄色発光する蛍光体と組み合わせたものです。 白色発光ダイオードが、電球、蛍光灯に続く第三の新しい照明機器として 大きな地位を築くまでになってきました。 白色ダイオードは小型であること(数ミリメートル)、長寿命(数万時間以上)、 省電力(熱を出さない、電池長持ち)という照明器具として非常に優れた特長を備えています。 現在、高価(1個数10円から100円)であるという障壁を越えて、広い分野に利用されるようになってきました。 身近な例として、携帯電話などの液晶表示のバックライト、自転車の照明ランプ、懐中電灯などに利用されるに至り、 皆さんもこの青色発光ダイオード技術の恩恵を大いに受けているのです。
白色発光させるには、RGB3色の光を混合すること。 白色ダイオードの原理には、2つのアプローチがあります。 一つは、RGBそれぞれの発光ダイオードを組み合わせること、 もう一つは、青色の光を黄色に変える蛍光物質を組み合わせることの2つの方法があります。 現在主流となっている方法としては、後者の蛍光物質と組み合わせる方法です。 白色発光ダイオードの主体である青色ダイオードが青色の光を出します。 青色の光の一部を蛍光体(青色の光を受けて黄色に発光する物質)に当てて黄色(赤+緑)の光を作り出します。 これでRGBの3色の光が作り出せたので、これを混合して白色の光を作り出しているのです。
このページは、2004/01/26 に始まりました。