物理の小道


日本橋だより 〜現況報告と雑感〜

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2004/11/25 日本橋だより 第36回 
    USBフラッシュメモリーについて

「フロッピーディスク」 から 「フラッシュメモリー」 へ時代が代わる

 あらゆるところで利用されている 「フラッシュメモリー」 が最近、大きく値下がりしているとのニュース伝えられています。 このニュースを聞き、筆者(志)も愛用している 「フラッシュメモリー」 について調べてみました。

データを記憶する 「メモリー」 の種類

 データを記憶するメモリーには、「揮発性メモリー」 と 「不揮発性メモリー」 の2種類があります。 「揮発性メモリー」 とは、電源を切ると記憶されたデータが消えてしまうものをいいます。 「揮発性メモリー」 には、 「スタティック型」 と 「ダイナミック型」 の2種類があります。 「ダイナミック型」 の場合は、電源を入れていても時間が経つとデータが消えるものです。 パソコン内部で使われているメモリーのほとんど全てが 「ダイナミック型」 です。 一方、「不揮発性メモリー」 は電源を切っても記憶されたデータが消えません。 再度電源を入れたとき、以前記憶したデータが残っているのです。 このメモリーでは、「書き換え不可」 のものと、「書き換え可能」 なものがあります。 今回紹介する 「フラッシュメモリー」 は、「不揮発性」、「書き換え可能」 なメモリーということになります。

「フラッシュメモリー」 の種類

 フラッシュメモリーは 「自由に書き換えできる上、電源を切っても記録が消えないメモリー」 という キャッチ・コピー で販売されたメモリーです。 上の写真にあるのがフラッシュメモリーの一例です。 右側が 「コンパクトフラッシュ(CF)」、左側が 「SDメモリー(SD)」 という名前で呼ばれるものです。 「CF」 は名前にコンパクトとありますが、「SD」 と比べて大きさが目につきます。 厚さもSDの3倍と大型(縦35mm、横43mm、厚さ3mm)です。 これはそれぞれの規格により定められた大きさなので、メモリー容量とは関係ありません。 写真を見ると、大きな 「CF」 が16MB、小さな 「SD」 が128MB とあるように、 小さくても 「SD」 のほうが、大きい 「CF」 より、8倍もメモリー容量が大きいのです。

 筆者が最初に使い始めたフラッシュメモリーは 「スマートメディア(SM)」 という規格の32メガバイト(フロッピーディスク22枚分強)のもので数千円でした。 まだまだ価格面でフラッシュメモリーがフロッピーディスクよりコスト面で不利だったのです(1メガ当たり100円強に相当)。 当初から、いろいろな規格のフラッシュメモリーが流通しており、 後で述べるように数種類のフラッシュメモリーに規格が分かれたまま現在に至っています(不便ですね)。

 現在ではフロッピーディスクに代わる記録メディアとしてたくさんの人に使われるようになってきました。 ワープロソフト(一太郎)で写真入の文書を作成した場合、プロッピーディスクに収まりきらないファイルができてしまい保存ができなくて困ったことがあるはずです。 容量的にもフロッピーディスクは利用上での限界に達したといえるのです。 また、フラッシュメモリーがコストにおいてもフロッピーディスクと同レベル(1メガ当たり数十円程度)となり、 普及に勢いがついてきたのが現在です。 今回は、新たに購入したフラッシュメモリー(USBタイプ)256MBは、1つが 2900円(税込)だったのですから、 1MB当たりで10円程度になってしまったのです。 これでは、フロッピーディスク(1メガ当たり30円程度)よりコストが有利になってしまっているのです。

 フラッシュメモリーの規格一覧表

  1.  コンパクトフラッシュ (デジカメではキャノン、ニコンなど)
  2.  スマートメディア (オリンパス)
  3.  SDカード (松下など家電メーカー)
  4.  マルチメディアカード (SDと互換がありながらマイナー規格)
  5.  メモリースティック (ソニーの独自規格)
  6.  USBフラッシュメモリー(パソコンデータ用規格)
  7.  その他

 上に示すように、それぞれのフラッシュメモリーの規格には長所、欠点があり、互いの主張によりどちらも譲らないまま、 現在に至っても規格統一ができていません。 そこで、それぞれのフラッシュメモリー規格について説明してゆきましょう。

大容量がウリの 「コンパクトフラッシュ」

 このフラッシュメモリーは規格が古く、前述したようにサイズは大型です。 メモリーコントローラーを備えて、実装規格も大きなパッケージであるため、大容量メモリーのものが作りやすいものになっている。 この規格はフラッシュメモリー専用の規格ではなく、汎用に作られているため、 マイクロハードディスクドライブもあり、超大容量のもの(20GB)が利用できます。 また、ノートパソコン用の通信アダプタも作られています。 なのフラッシュメモリーを使用したCFでの最大容量は4GB程度までのようです。 コンパクトフラッシュ規格の大きさ(厚さ)ともに時代遅れの感じがするのが欠点でしょう。 小型デジタル製品が増加している昨今の規格の流れから考えると、大きさ、厚さともサイズをに1ランクダウンが必要でしょう。

薄さがウリの 「スマートメディア」

  「スマートメディア」の規格は、縦44mm、横37mm、厚さが0.5mm程度の非常に薄型で、薄いシートのようです。 面積では 「CF」 と同じ位のサイズですが、厚さが圧倒的に薄いのです。 しかし、見た目の良さは抜群です。 黒のボディの中央上部に金色の接点をデザインの上でうまく生かした、豪華絢爛なフラッシュメモリーです。 見た目での高級感では、「SM」 は多数のフラッシュメモリーの中ではトップでしょう。 「SM」 規格の特徴は、外見と比べて、内部構成がシンプルでメモリー単体と呼べるくらいに簡素なつくりになっています。、 そのため、同容量のメモリーと比べた場合、製造コストの上で有利になります。 しかし、規格で決められた 「薄さ」 ゆえにメモリー実装での多層化(メモリを2段重ねにして大容量化)が難しいため、 大容量のものが作りにくいことが障害になったのです。 大容量のフラッシュメモリーが作りにくい規格であるため、将来性は見込めないようですが...。  この 「SM」 規格を採用しているオリンパスはキャノンと並んで新製品をたくさん発表し、 デジカメ市場でトップを争っていたのですが、現在はもうひとつのようですね。

何にでも使える 「SDカード」

 前者の2種類のメモリーに比べて後発の規格です。 このフラッシュメモリーの規格は 「サイズが小さい」 ことを売りとしたものです。 大きさは、縦32mm、横24mm、厚さ1mm程のサイズです。 パソコン関係を除いて、家電製品を含めた汎用のフラッシュメモリーです。 ビデオカメラ、携帯電話などでも主流となっているようですし、 DVDビデオ、薄型テレビなどの分野でも各メーカーが採用している規格でもあります。 携帯電話などの場合、SD規格を更に小さくした 「SD mini」 が使われています。 この規格は、専用アダプタに差し込めば 「SD」 規格のフラッシュメモリーとして使える便利さがあります。

ソニーブランドだけの 「メモリースティック」

 スティックの名の通り細長い形をしているフラッシュメモリーです。 ソニーの 「バイオ」 カラーのフラッシュメモリーですが、ソニー以外のメーカーでの利用が進んでいないようです。 そのため 「SD」 規格とのシェア争いで大きく水をあけられてしまって、マイナー勢力のままに至っているようです。 これからの伸びに期待したいところですが、そう簡単には行かないでしょう。 筆者(志)はソニーブランドの製品を持っていませんので、メモリースティックは所持していません。 写真などもありませんので、情報は ソニー のWebサイトでどうぞ。

パソコンには必須アイテム、「USBフラッシュメモリ」

 ノートパソコンなどでのデータ交換用に急速に普及してきたフラッシュメモリーがこのタイプです。 現在ではノートパソコン本体にフロッピーディスクを備えていないものが多くなってきました。 USBフラッシュメモリーの普及がそれを助けてきたようです。 指くらいの大きさのもので、パソコンのUSB端子に接続するように作られています。 フロッピーディスクと同様の使い方ができるもので、64MBから128MBくらいが売れ筋となっているようです。 ポケットにフロッピーディスクが数十枚から百枚入っているのと同等の機能を持つこのUSBフラッシュメモリーを一度使うと離せなくなる程の便利グッズです。 筆者(志)は128MBのものを2本、256MBのものを1本所持しています。 WindowsMe/2000/Xpでは標準ドライバで動作するため、USB端子に差し込むだけで使用できる優れものです。 フロッピーディスクに代わるものとして利用される主力フラッシュメモリーとなるでしょう。

 なお、左上の写真(「SD」 用(左)、「SM」 用(右))にあるパソコン用の接続アダプタ(数百円から2千円程度で購入可能)を使用すれば、 普通のフラッシュメモリーも「USBフラッシュメモリー」と同様にパソコンでも利用できるのでご安心を。

その他のフラッシュメモリ、筆者(志)も失敗した 「マルチメディアカード」

 マルチメディアカード(MMC)というフラッシュメモリー規格をご存知の方はほとんどいないでしょう。 筆者はその 「MMC」 を使う携帯音楽プレーヤーを持っているのです。 このプレーヤーの拡張用のカードを買おうとして1年ほど前に日本橋で探していた時期がありました。 当時の状況は、日本橋ですらこの「MMC」 を販売している店がほとんどなく、たったの2、3軒しかなかったのです。 そのため、「MMC」 の値段が非常に高く、ほかの規格のフラッシュメモリーの2倍くらいにもなっていました。 そのため、見つけても購入に踏み切れないまま時がたってしまったのです。 現在では、さらに状況は厳しくなってしまったのです。 日本橋でもMMCを販売している店が見つからなくなってしまったのです。 先走って 「新商品」 を購入する場合、「主流になるかどうか」 将来を見据えてその規格を選ぶことがいかに大切かです。 このことを身をもって筆者が知ったのも、この 「MMC」 のおかげなのです(笑)。 なお、この音楽プレーヤーは約60分程度の音楽が収録できるので、筆者は不自由なく使っています。


2004/11/23 管理人(志)


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このページは、2004/01/26 に始まりました。